日経平均株価予想-16/6/27-で書いた通り、日経平均株価はPER13倍・PBR1倍といった水準が底値となり、大幅な反発局面を迎えました。
遂に下落相場が終わりを迎え、このまま上昇相場へ移行する?と思っている方も多いのではないでしょうか?
が、ちょっと気になる事があるので、私は一旦利確し方向性が出るまでしばらく様子見しようと思います。
もしかするとこのまま調整局面入りし、ある程度の下落があるかもしれません。
場合によっては大幅下落になることも考えられます。
1.下落の可能性となる要因は?
1-1.ドル円相場のトレンド
グラフはUSD/JPYの日足チャートです。
オレンジで引いたラインに差し掛かったいずれの場合(緑丸部分)も、そのラインが抵抗線となって反落しています。
つまり、オレンジ線が“トレンドライン”となっています。
そして今回もそのラインに差し掛かった所で跳ね返される形となっており、下降トレンドが継続していると考えられます。
青いラインが“サポートライン”として機能すれば1ドル100円が再び底値となりそうですが、この“サポートラインを突破すれば1ドル95円を割る”なんてこともあるかもしれません。
1-2.日経平均株価とドル円相場のかい離
グラフは日経平均株価とドル円相場の推移を重ねたものです。
近年の日経平均株価はドル円相場に連動することはみなさんも知っているかと思いますが、その通り2011年頃からほぼ重なって推移していました。
しかし、ここ数カ月をみると大きくかい離しているのが分かります。
円高方向に振れているにも関わらず、日経平均は下落せずむしろ上昇しています。
この理由は、
「4-6月期決算は意外と悪くないじゃん?」
「業績修正後の想定レートが1ドル100円~102円だからこれ以上の下振れはないよね?」
「日銀のETF買いが相場を下支えするでしょ?」
といった声が大勢を占めており、相場の先行きに対する安心感や期待感あるからだと推測されます。
”あくまでも1ドル100円を割らない事が大前提”となってることに注意して下さい。
おそらく米国の利上げが確実に行われるという事を織り込んでいるため、このような前提となっているのだと思います。
1-3.前提が崩れたら・・・
先のBrexitを思い出して下さい。
直前まで残留派が過半数と言われていたにも関わらず、結果は離脱派が勝利。
この時は残留派勝利が相場に織り込まれていたため、直後の市場は大混乱しました。
この時は、「よく考えるとEUから離脱しても大したことないよね?」「もし影響があったとしても大分先のことでしょ?」といった声もあって一時的なものになりました。
では今回の1ドル100円を割らないという前提が崩れた場合はどうでしょう?
失望感はBrexit以上ですよね?
100円割ったら下値のメドはどこですか?
さらにこの場合は円高の影響をもろに受けるはずなので、一時的なものにならず、日経平均株価はそのまま15000円割れなんて事もあるかもしれません。
2.今後の展開
上記の通り、日経平均株価は大幅下落の可能性があります。
しかし、
「米国利上げが確実に行われる」
「ドル円がトレンドラインを明確にブレイクする」
「市場期待以上の日銀追加緩和が行われる」
といった事があれば円安方向に動く可能性も秘めています。
その場合は、9/7現在の日経平均のPERが14.35倍である事を考えると大幅上昇の可能性も十分考えられます。
つまり現在の日経平均の相場環境下においては、買いで入っても売りで入ってもリスクが高いように思われます。
という訳で、最初にも書いた通り明確な方向性が出るまでは様子見をしようかと思います。
<上昇のきっかけ>
・米国利上げが確実に行われる見通しが立つ
・ドル円がトレンドラインを明確にブレイクする
・市場期待以上の日銀追加緩和が行われる
<下落のきっかけ>
・米国利上げ観測が後退する
・ドル円が100円のサポートラインを突破する
・日銀追加緩和が市場期待以下
他にも色々あるかと思いますが、とりあえずこんな感じの事を想定してます。
まあ何事もなく上昇相場になってくれた方が嬉しいですけどね(笑)