日銀ETF購入額の増額が決定された時に”株価インパクトが大きい銘柄はこれだ!”といった記事やランキングをよく目にしました。
どの記事にもアドバンテスト(6857)がインパクトがある銘柄として挙げられていました。
しかし、これの根拠についてイマイチ分からなかったので調べてみました。
1.日銀ETF購入について
1-1.購入対象
日銀が購入対象としているは日経平均指数連動型ETF・TOPIX指数連動型ETF・JPX日経400指数連動型ETF・設備人材投資ETFです。※16/9/14時点
1-2.購入の流れ
日銀のETF購入の流れについて。
イメージ図の通り、日銀がETFを発注すると証券市場でそのETFを対象とした株式バスケットが購入されます。(タイミングは不明です)
日経平均指数連動型ETFを発注したとすれば、指数に連動させる必要があるため基本的には日経平均構成銘柄と構成比率が同じになるように株式バスケットを購入すると思われます。
つまり構成比率が高い銘柄ほど購入割合が高くなるといった仕組みとなります。
※買い入れ方法については公表されて無いので、あくまでも憶測です。
2.構成比率の求め方
2-1.用語説明
日経平均採用銘柄の構成比率を出してみました。
※ネットで調べればすぐに出てきますが、今回は勉強のため自分で作成しました。
聞き慣れない言葉を説明します。
<みなし額面>
株価は銘柄によって100円、1000円、10000円と額が大きく異なるため、日経平均株価を算出する際には”株価水準を調整”する必要があります。
この”株価水準を調整”するために用いる数字の事を“みなし額面”と言います。
<みなし値>
日経平均株価は”50円とみなした場合の株価”に換算して算出します。
この”50円とみなした場合の株価”のことを“みなし値”と言います。
(みなし値)=(みなし額面)÷(50)×(株価)
<構成比率>
(日経平均株価)=(225銘柄のみなし値の合計)÷(除数)
式より、みなし値の全体に対する割合が日経225の構成比率となります。
(構成比率)=(当銘柄のみなし値)÷(225銘柄のみなし値の合計)
ちょっと分かり難いかもしれませんが、こんな感じです。
2-2.構成比率
単純に、構成比率が高い順に並べ替えてみます。
おや?上位10以内にアドバンテストの名前がありませんね・・
何故だろう?と思い調べてみると、どうやら時価総額に関係があるみたいです。
例えば、上表のダイキン工業と東京エレクトロンを見て下さい。
時価総額はダイキン工業の方が大きいですが、構成比率はどちらも同じくらいです。
構成比率が同じなので購入額も同じになりますが、買い入れ効果はどちらが高いでしょうか?
当然ながら、時価総額が低い東京エレクトロンの方が効果が高いですよね?
そこで日銀が1兆円買い入れたと仮定して、構成比から各銘柄の購入額を計算し、時価総額に対する比率を求めてみました。
構成比率の順番では無くなったので、時価総額比が高い順に並べ替えてみます。
あっ、アドバンテストが出てきましたね。
おそらくこれが根拠となって、”株価インパクトが大きい銘柄”として挙げられたのでしょう。
ちなみに上表は9/14現在の株価で算出しているので、最新の“日銀ETFで買われる銘柄ランキング”となってますので、是非ご参考にして下さい(笑)