エニグモの第13回定時株主総会に行ってきました。
あのファッション通販サイト『BUYMA』を運営している会社です。
今後の成長性に関する話題など、色々ありましたのでまとめてみました。
1.エニグモってどんな会社?
知らない方がいるかもしれませんので、簡単に紹介します。
「世界が変わる流れを作る」
という経営理念のもと、ファッション通販サイト『BUYMA』を運営している会社です。
この『BUYMA』というのは、海外アイテムを対象にしたCtoC型のEコマースで、簡単に言うと、海外のアイテムを現地にいる日本人バイヤーが代わりに買って送ってくれるサービスです。
海外限定モデルや国内未入荷ブランドが手に入るだけでなく、個人間の取引という事で日本で販売しているモデルであってもより安価に手に入る事が最大の特徴です。
このビジネスモデルを武器に、2012年の上場以来順調に利益を伸ばしており、17年1月期は最高益更新、18年1月期も最高益更新の見通しとなっています。
また、海外向けにもこのビジネスモデルを展開しつつあり、まさに伸び盛りのベンチャーです。
2.総会内容
2.1.経営陣の印象
私の主観ですので、興味無ければ飛ばして下さい(笑)
社内取締役は、須田将啓代表取締役、安藤英男取締役、金田洋一取締役の3名で、須田氏と安藤氏は創業者です。
服装はノータイで堅苦しい感じは全くありませんでした。特に須田氏はシャツの胸元を大きく開けておりすごく砕けた印象でした。
質疑応答の際は、質問の論点をずらすような逃げの回答というのが全く無く、答えにくい質問に対しても「具体的な内容は差し控えたいが」と前置きしながら質問者がある程度納得するような回答をしており、全てに真摯に回答している印象を受けました。
3人とも力強さや自信に満ちており、何かやってくれそうな期待感を抱ける経営陣なのかなといった印象でした。
株主にとっては特に不満を抱くような経営陣では無い事は確かです。
2.2.報告事項や今後の戦略
主な内容をピックアップして箇条書きします。
詳細を知りたい方はこちらをクリックして、17年1月期決算説明会資料をご覧下さい。
前期は取扱高や会員数が想定以上の伸びだった。
アクティブ会員の割合も順調に伸びている。
しかし、ARPU(前期比98%)=単価(前期比96%)×件数(前期比101%)が微減した。
単価というのはトレンドに影響する部分なのでいじるべきではないため、件数を増やしていく事で改善を図る。
具体的には、今後もオウンドメディア・レコメンド・アプリといった複数の接点で回遊性を高める事でアクティブ率を上げていく。
また、BUYMA MD・BUYMA AI・BUYMA GUARANTEEを駆使し、ユーザーにより合った物を提供していく。
海外通販No.1という軸を絶対にブラさずに、幅広いユーザーに利用されるサービスへ進化させていく。
ターゲットユーザーも従来の1,000万人(30代くらい?女性)から4,000万人(幅広い年齢の男女)に再定義。
2.3.主な質問と回答
※録音等をしていないため、間違っている可能性があります。参考程度に・・
質問:キャッシュの使い道は?
回答:取扱高からみると、今の水準は適正。なので他に回すという考えは無い。
質問:リセール事業について
回答:フリマの形にしてしまうと当然ニセモノの問題がある。C to B to C という形でより安心してもらいたい。
質問:中期目標の50億円はGLOVAL BUYMAが想定通り進捗した場合の到達点?
回答:当然通過点。なるべく早く達成するつもり。
質問:GLOVAL BUYMAが想定通り進捗すればどのくらいの数値を見通している?
回答:具体的な数字は差し控えたいが、海外は日本国内の10倍以上の市場規模があるので、もしホームランが出れば相応の数字になる。
質問:関連事業も生み出していく中で、中期目標の50億円の内訳は?(ファッションの割合は?)
回答:具体的な内訳は差し控えたいが、少なくとも50億円という数字はファッション事業だけでいけると思っている。
質問:今期予想は保守的?
回答:前期が想定以上だった事を加味すると、今出している水準が妥当と考えている。これに如何に積み上げていくかといった所。
質問:海外市場の目標値は?
回答:今年は月間1億円以上を目標にしている。
質問:出品写真などの著作権について。無断転用ではないのか?
回答:今後とも十分な監視、取り締まり、牽制(注意喚起)をしていく。パーソナルショッパーの中には店側と提携している人もおり、全て把握できているかと言われれば回答を差し控えたい。現在も把握できる範囲ではやっており、もし違反があれば対応している。
質問:GLOBAL BUYMAにおいて日本ブランドに力を入れるのか?
回答:相性の良い国と国との組み合わせがあるので、日本ブランドだけにこだわるつもりは無い。組み合わせはAIなどを駆使していく。
質問:東証一部変更は?
回答:常に念頭にいれている。ただし、マザーズにいる事で目立ち注目されるというメリットもある。
質問:ZOZOTOWNとの関係は?(よく聞き取れなかったが、広告か何かのモデルが同じらしい・・)
回答:それについては全く関係ない。ただ、当然ながら同業としての関わりはある。
質問:エニグモの競合他社は?
回答:商品単体で見れば、ファッションアイテムを販売している大手は当然全て競合。しかし、世界各国多様な品揃えが強みであり、サービス全体で見るなら競合はいない。
質問:デリバリー、品質、決済について
回答:配送・品質については初期不良保障などがある。ニセモノについても第三者機関と提携している。決済については、購入者が取引完了しない限りされない仕組みになっている。
質問:ニセモノに抵抗がある人の取り込みは?
回答:以前は確かにニセモノの問題があった。方針転換後は確実に減っているし、今も改善し続けている。返品・返金ができる事を前面に押し出してアピールしていく。
3.投資判断
3.1.現在の株価水準
株価:1,955円(4/28終値)
EPS:62.42円(会社予想)
BPS:153.43円
配当:0円(会社予想)
PER:31.32倍(会社予想)
PBR:12.74倍
ROE:42.03%(会社予想)
ROA:26.41%(会社予想)
利回り:0%(会社予想)
PERは30倍以上と高い水準にあります。
市場からも成長が期待されているんでしょうね。指標だけを見れば割高に感じられます。
ただし、この会社はまだまだ規模が小さく純利益は10億円程度。ちなみに国内通販大手のスタートトゥデイの純利益は170億円。
主に海外製品をターゲットにしている分、スタートトゥデイの規模にはいかないまでも、十分拡大余地はあると思います。
また、この『BUYMA』の認知度って実はまだ41.1%だそうです。認知度が向上すれば商品もどんどん売れるようになり当然利益も上がります。この点においても成長の余地があるように思います。
3.2.成長性を考慮
まず、中期経営計画にもあるように営業利益50億円を達成するとした場合、今期予想の2.5倍に業績が拡大する計算になります。
単純に純利益も2.5倍になると考えると、EPS=62.42×2.5=156.05円になります。
こうなった場合、PER20倍で計算しても株価は約3,100円となり現在の株価より1.5倍高くなります。
ちなみに、この利益水準になるには年平均10%増益の場合で約10年、年平均20%増益の場合で約5年となります。
もし計画通り進捗するなら今の水準は割安と言っていいでしょう。
ちなみにスタートトゥデイ級の利益水準になるような事があれば、EPS約800円になり、PER20倍で計算すると株価はなんと約16,000円になるかもしれません(笑)
現在の株価の約8倍・・夢が詰まってますね(笑)
3.3.投資判断
指標だけを見るなら割高ですが、成長性を見込むとまだまだ割安感がありそうです。
『BUYMA』の認知度向上や『GLOVAL BUYMA』の成功による中期経営計画の達成に期待するなら、間違いなく買いでしょう。
総会に出席し実際に経営陣を見たところすごく自信を感じましたので、私は期待して継続保有です(笑)
コメント
初めまして。ファンダメンタル重視の中長期投資をしているsunと申します
エニグモは主力銘柄として2年前から保有しており、株主総会に行きたかったのですが仕事の都合がつかず行くことができませんでした。どなたか行かれた方で質疑応答の内容をネットに上げてくださっていないかなと、ぐぐってたどり着きました。
私はグローバルバイマの成功に大いに期待しています。ctocでありながら偽物リスクがほとんどないという安全性と、パーソナルショッパーさんの高い接客力を武器に、グローバルでも認知の拡大に伴って取扱高を伸ばしてくれると考えています
こちらの動画を見つけた時本当にうれしかったです。ありがとうございました
来年から数年日本を離れる予定ですので、会社の規模がまだ小さなうちに総会に出席し、須田社長さんはじめとする経営陣をまじかにみて、そのオーラを感じてみたかったなあ。
sunさん、初めましていとちゅーです。
コメントありがとうございます!お役に立てたようで何よりです。
やはりエニグモのビジネスモデルは魅力的ですよね?私もすごく期待しています。
数年日本を離れるようなので、次回の総会もお伝えできたらと思います!