5月の決算ラッシュが終わり、
「業績見通しを好感し日経平均株価は2万円を超えて大きく上昇するのでは?」
多くの人がそう思っていたのではないでしょうか?
しかし実際は、年初来高値は更新したものの2万円目前の19,998.49円で止まり、ここ2日間で大きく下げてしまいました。
ニュース等では米国の政治的な混乱が背景だとの事ですが、日本株の上昇を期待して買っていた人にとっては、「このまま下がるのか?どこまで下がるのか?上昇はあるのか?」と不安に思っている人も多いでしょう。
今後の展開を予想してみようと思います。
1.前回予想のおさらい
まずは前回予想のおさらいと、結果をみていきます。
1.1.予想内容
日経平均株価が米大統領選後から急上昇し2017年初めから調整局面を迎えた動きが、2014年終わりから2015年初めにかけての上昇~調整局面と似たような動きになっている事に注目しました。
それにより、日経平均株価・ドル円ともに13週移動平均線が抵抗線となり反発し、その後5月本決算に向けて上昇していくと予想しました。
また、113円/ドルで推移した場合に決算後の日経平均のEPSは1,270円(想定レート108円/ドル)となる事、PER16倍程度まで買われる事を想定し、日経平均株価は20,320円まで上昇すると予想しました。
1.2.結果
チャートをご覧下さい。
いずれも13週線で反発せず、予想は大外し。
すいません・・
ただ、反発後は予想通り5月決算に向けて上昇したため結果的にはプラスになってます。(日経平均株価の1/26始値19,260円、5/18終値が19,553円)
また、決算が出揃った段階での為替は約113円/ドル、日経平均のEPSは1,396円(17/5/18時点、想定レート約105円/ドル)で、予想以上の数値となりました。
しかし目標株価であった20,320円には届きませんでした。
2.今後の展開
気になる方も多い、今後の展開についてみていきましょう。
2.1.現在の株価水準
まずは現在の日経平均株価の水準を見ていきます。
※いずれも17/5/18時点
株価:19,553.86円
EPS:1,396.70円
BPS:15,518.94円
PER:14.00倍
PBR:1.25倍
決算を受けてEPSが大幅に上昇したため、PER14.0倍とかなり割安感が出ているように思います。
今回はこのPER14倍水準に注目してみます。
2.2.PER14倍は買いか?
次のチャートをご覧下さい。
チャート上の黄線はEPSから算出したPER16倍のライン、青線はPER14倍のラインです。
アベノミクス相場が始まって以来、日経平均株価のPERは14倍~16倍のレンジで推移している事が分かります。
PER14倍を大きく下回ったのは2回(チャート上のオレンジ矢印)あり、2016年1月(チャイナショックや原油安によるオイルマネー流出)と2016年6月(Brexit)です。
それ以外(チャート上の緑矢印)はいずれの場合もPER14倍を大きく下回ることなく反発しています。後に「~ショック」と名付けられるような急落の場面においてもこのPER14倍水準で反発しています。
つまり、よっぽどの事が無い限り、過去の流れから考えてPER14倍という水準は買いと言ってもいいのではないでしょうか?
2.3.為替見通し
直近では為替がやや円高方向に動いたので、一応みておきましょう。
当サイトでお馴染みの日米実質金利差とドル円相場のチャートです。
日米実質金利差が年初から縮小しそれに伴いドル円も円高に動いていましたが、直近では徐々に横ばい~拡大方向に動いてきました。
「日米実質金利差の見通し」で予想した通りに推移するようなら、今回の動きは一時的なもので、米国の政治的な混乱が落ち着けばすぐにまた円安に動くでしょう。
米国の混乱が落ち着くかどうかなんてのは分かりませんが、日米実質金利差とドル円の相関性や日米実質金利差の見通しから考えると、今後「リスクオフで円高に」なんて事は無いように思います。
2.4.まとめ
「よっぽどの事=米国の問題がこじれる」
なんて事が無い限り、現在の株価水準であるPER14倍は買いでしょう。
ちなみに、現在の日経EPSが1396円であるので、今後PER16倍まで買われるなら日経平均株価は22,300円程度まで上昇する可能性があります。
楽しみですね。
という訳で、現時点では利益確定せず買いポジションのままでいこうと思います。
目標株価は22,300円に見直します。