フィックスターズ(3687)株主総会に行ってきた。

総会おじさんです。

今回はフィックスターズの第16回定時株主総会に行ってきました。(2017/12/14)

せっかく参加したので総会で得た材料や投資判断についてまとめてみました。

是非ご参考にして下さい。

この活動の目的などはこちら→株主総会で投資の幅を広げよう

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1.フィックスターズってどんな会社? 

1.1.事業概要

フィックスターズは、「マルチコア時代のソフトウェア開発を容易にする」「天才プログラマのバリューを世界に示す」「グローバルソフトウェア会社に成長する」というミッションを掲げ、マルチコア並列処理技術やNAND Flash メモリ関連技術といった高度なソフトウェア技術を活かして、ソフトウェアの高速化などのサービスや大容量高速ストレージ・サーバ『Olive』の販売、量子コンピューティング事業などを行っている会社です。

主な事業は以下の通りです。

※難しかったので、ほとんどHPから抜粋しました・・

<ソフトウェア・サービス事業>
様々な分野で行われている大量の計算処理について、マルチコアプロセッサや分散クラスタを用いた並列処理技術を活用して、アプリケーションへの最適化を行い、大量の計算処理をより短時間で実現するプロフェッショナルサービスを提供しています。簡単に言えば、ソフトウェアの開発支援を提供しているという事だと思います。

例えば、自動車向けに車載画像処理ソフトウェアの開発支援、金融向けに低コストで高速演算を可能とする競争優位性の高いアプリケーションシステムの構築・開発支援といった感じです。

また、研究の段階から、開発、量産・販売までのトータルソリューションを提供し、各フェーズごとに契約する事で安定的に収益が上がるビジネスモデルとなっています。

<ハードウェア基盤事業>
画像処理プロセッサ搭載演算ボードの販売、大容量高速ストレージ・サーバ『Olive』の販売を行っています。

<その他>
新事業としていくつか展開しています。

・『helmi』
AIによりプログラミングコードの不具合推定を行い、ソフトウェア開発の品質向上を実現するAIベースのPJマネジメントシステムです。
SHIFT社(ソフトウェアテストに強い)との合弁会社であるアイ・イー・テック社により提供しています。

・『Halide to FPGA』
FPGA IP向け自動並列化コンパイラソリューションです。

・量子コンピューティング事業
世界初の商用量子コンピュータを開発したD-Wave社と提携し、量子コンピューティングソリューションに関するコンサルティングを提供しています。

会社説明会、ホームページ、IR資料等を見ましたが、イマイチよく分かりません・・笑
プログラムのエキスパート集団がプログラム開発を支援しより良いプログラムを作っていく事業をしていると私は解釈しました。

1.2.業績推移

過去5年の推移を見ると、順調に売上高・利益ともに拡大しています。成長度合いは徐々に鈍化しているものの、営業利益率は年々改善されており17/9月期は18.8%まで上昇しています。

18/9月期予想は、売上高4,600百万円(前期比3.4%増)営業利益880百万円(前期比5.4%増)経常利益877百万円(前期比7.9%増)親会社に帰属する当期純利益590百万円(前期比5.8%増)となっており、売上高の成長はさらに鈍化する予想となっています。ただし、営業利益率は19.1%とさらに改善される見込みとなっています。

フィックスターズHPより

2.総会について

2.1.主な内容

報告事項の主な内容は以下の通りです。

・17/9月期の業績は、売上高4,450,568百万円(前期比9.5%増)営業利益835,102百万円(前期比17.5%増)経常利益813,706百万円(前期比14.9%増)親会社に帰属する当期純利益557,942百万円(前期比8.1%増)だった。

・ソフトウェア事業が伸び悩んだものの、ハードウェア事業において画像処理プロセッサ搭載演算ボードが好調だったため、増収増益となった。

当社の競争力の源泉は優秀なエンジニア。17/9月末時点で社員は145名で、エンジニアの比率が9割以上を占める。さらなる飛躍のため、優秀なエンジニアの採用活動に取り組む。

詳細は第16回定時株主総会招集ご通知をご覧下さい。

決議事項については全て可決でした。

事業説明会が総会後に開催されました。主な内容は以下の通りです。

・強みは人材、技術、顧客基盤。人材については、優秀なプログラマーが揃っている。入社したエンジニアに「入社して良かった点は?」と聞くと「先輩のエンジニアがすごくて勉強になり楽しい」と口を揃えて答える。技術については、並列化や最適化技術による高速化が得意。顧客基盤については、国内の大企業と取引ができており最先端の技術課題にアプローチできている。リピート率も高く客先からの引き合いが多い。

ビジネスモデルについては、開発では、最初の段階の研究から関わる事が多く、量産販売の段階では当社のソフトやハードを組み込んだしている。研究~販売までの長い期間の取引となっている。契約としてはフェーズごとだったり3~6ヶ月の短期間でお願いしている。数年に渡るプロジェクトでも会計年度内で利益が出る。

・画像処理、AI、IoTなど、高速化ソリューションのニーズが広がっている

・新規事業『helmi』は開発・販売のフェーズに入ってきている。大量のコードを学習させて、プログラムの不具合を判定するソリューション。当社はプログラムを書くのが専門なので、テストを専門とするSHIFT社のノウハウを取り入れている。

・新規事業である、FPGA IP向けの自動並列化コンパイラ『halide to FPGA』について。halideというプログラム言語で書くと、FPGAで動くようになるといったもの。インテルがFPGAの会社を買ったように、FPGAは将来的に有望だと考えている。

・量子コンピュータについて。予定より早く実用化される時期も近いのかなと考えている。ニーズの発掘やノウハウをため込んでいる所。

・18/9月期予想は、売上高4,600百万円(前期比3.4%増)営業利益880百万円(前期比5.4%増)経常利益877百万円(前期比7.9%増)親会社に帰属する当期純利益590百万円(前期比5.8%増)を計画している。

・事業拡大が続いているのでオフィスの増床を予定しており、利益を一部圧迫する。

・自動車関連の引き合いが多く滑り出しが順調。採用状況も一部好転しており、エンジニアが増える事により売り上げも伸びると考えている。

詳細は平成29年9月期 決算 補足説明資料をご覧下さい。

※録音等はしていないので聞き間違いや漏れなども多々ありますのでご了承下さい。

2.2.質疑応答

<株主総会での質問>

質問:フィックスターズの技術の用途は?
回答:画像処理やシミュレーションといった計算に時間がかかる分野に必要とされる。自動運転やCTスキャン、金融の分野で用途がある。量子コンピュータは道路の渋滞回避、創薬におけるたんぱく質のシミュレーションに応用できる。

質問:過去の株式分割時の株価は?
回答:33,550円で5分割している。

質問:投信の組み込みは?
回答:ひふみ投信に組み込まれている。

質問:Oliveの汎用性は?将来的な見通しは?
回答:自動車のエッジ側でのAI処理、自動車のセンサーデータを貯めるストレージに使用される。半導体工場などでセンサーデータを集めて故障検知する。など大量のデータを集めてAI処理をする分野に汎用的に使われる。現在研究開発中。例えば、車にOliveが搭載されると、車1台につき数台搭載されることもある。Oliveが勝てるよう研究開発している。Olive的なエッジコンピュータが広がる事は間違いないと思っている。

質問:受注から売上計上が短い理由は?
回答:中には3~5年のプロジェクトがあるが、設計のフェーズで契約といった感じでフェーズごとに大体3~6ヶ月単位で契約をお願いしている。

質問:リスクに対しての対応策は?
回答:AIや自動運転など、当社の技術が活きる環境にある。東芝の依存が高く、短期的なリスクがあったが薄れてきた。現在のリスクはエンジニア。採用コストや報酬が増加してきている。それに合わせて顧客に対して販売費を上げられるかといったリスクがある。また、エンジニアの流出リスクもある。従業員の満足度を調査し意見を反映する取り組み等で、会社の事を好きになってもらう取り組みをしている。

質問:D-Wave社について
回答:世界初の商用量子コンピュータを開発販売をしている会社。日本国内で量子コンピュータの普及活動をしようという提携。元々研究していた東工大の研究室出身のエンジニアが社員にいたのがきっかけ。

質問:アメリカの子会社について
回答:自動運転、ゲノム、ブレインマッピングといったプロジェクトを行っている。

質問:取締役の人数が減る事について
回答:執行役員制らしく事業をするためや、田村取締役をアイ・イー・テック社に専念させるため。

質問:量子コンピュータの収益化
回答:1台20~30億というレベル。クラウドサービスのアクセラレータとして使われるのではないか?渋滞回避のクラウドサービスといった感じ。クラウド事業として展開していく事が考えられる。まだ大規模な解析はできないので、当面はコンサルティングやソフト開発で収益化を実現したい。

質問:監査役の株の保有は?
回答:独立性や客観性を持つという意味では保有しない方が良い。株を持てば株主目線になれる。判断は個人の裁量。

質問:PEZY Computingについて
回答:今現在取引は無い。今回の事件に関しては影響はない。

質問:NTTの量子コンピュータについて
回答:D-Waveと競合になる製品。NTTの量子コンピュータが勝てば、NTT向けにソフトを作っていきたい。どの量子コンピュータでも動くようなソフトを作っていきたい。

質問:量子コンピュータ業界での立ち位置
回答:まだプロトタイプ。実用化には数年かかる。いち早く各種量子コンピュータへのアクセスを確保し、汎用的なミドルウェアを作る事が戦略。当社のような立ち位置でミドルウェアの開発をサポートする会社は他にない。少なくとも国内では良い位置を保てるはず。

質問:人材についての取り組みは?
回答:強みは優秀な人材がいる事。エンジニア同士の交流に時間とお金を使っている。

質問:エンジニアのスカウト対策は?
回答:スカウトが来るのはどうしようもないのが現状。会社に残ると言ってもらえるようになってもらうのが現状。

質問:国のバックアップは?
回答:特に何もないのが現状。過去に支援を受けたという事例もあるが、特に今は無い。

<事業説明会での質問>

質問:自動運転に関して
回答:日本の各メーカーから開発依頼を多くもらっている。

質問:量子コンピュータの提携について
回答:量子コンピュータをやろうとしている会社とはコンタクトを取っており、どんな協業になるかわからないが、協力していく。

質問:優秀なエンジニアに育てる仕組みづくりは?
回答:優秀でないエンジニアは採用していない。優秀なエンジニアをすごい優秀なエンジニアにそだてる事しかやっていない。

質問:Oliveについて
回答:まずは車の世界で勝ちたい。車載中心に搭載できるようにやっていく。

質問:週一の研修ついて
回答:社員が自主的に取り組んでいる勉強会。大学の輪講のようにテーマを決めて勉強会をしている。

質問:プログラムコンテストについて
回答:マイクロソフト社主催のコンテストで今年は4位。過去最高で2位。社内でも要望があるので支援もしている。

質問:社名の由来は?
回答:恒星のようにエンジニアが世界で輝けるようにしたい。fixed starが由来。

質問:エンジニアの外国人比率は?採用は?
回答:1割いないくらい。アメリカではいるが、日本では日本語で採用活動しているので基本的には日本人を採用している。

質問:優秀な人をどうやって見つけているか?
回答:給料に関しては平均年齢36歳で平均年収670万円。今後上げなくてはいけないと思っている。この分野をやっている学生で、当社を知らない学生はほぼいない。インターンに来てもらい、よく知った上で入社する新卒が多い。研究室との繋がりも良好。

質問:残業について
回答:平均15~20時間と少ない。優秀な人が多いので納品遅れもほとんど無く、大体19時にはみんないなくなる。

質問:高速化サービスの同業は?シェアは?
回答:専門としてやっている会社は他に無い。海外に一社あるくらい。

質問:海外自動車メーカーからの引き合いは?
回答:主に国内。日本の車が自動運転を世界でリードできるように支援したい。日本国内の需要をまだ満たせていないので、もし海外から話が来ても断ると思う。

※録音等はしていないので聞き間違いや漏れなども多々ありますのでご了承下さい。

2.3.注目材料

『人材について』
競争力の源泉は優秀なエンジニアとあるように、エンジニアあってのビジネスとなっているようです。すごい優秀なエンジニアが社内にいるという事が優秀なエンジニアの獲得につながるという好循環になっており、一度に大量の流出が無い限りは今後も優秀なエンジニアを確保していけるのではないかと思われます。

『自動運転について』
自動運転するにあたり画像処理の高速化は必要不可欠です。フィックスターズはこの高速化が専門であり、各メーカーからの引き合いが多いそうです。

『ビジネスモデルについて』
開発をするにあたって、多くの場合研究の段階か関わっており、研究のフェーズでもしっかり利益が出るようなモデルとなっているようです。自動運転の引き合いが多い現状を考えると、当面(自動運転が実用化されるまで)は安定的に利益が出せるのではないかと思われます。

2.4.お土産

お土産はありませんでした。

3.投資判断は?

3.1.株価水準

株価:5,550円(12/14終値)
EPS:88.97円、BPS:342.23円、配当:26円
PER:62.38倍、PBR:16.22倍、配当利回り:0.47%
ROE:26.00%、ROA:20.94%
※EPS等は会社予想を参照

株価水準はかなり高い位置にあるように思います。自動運転関連、AI、量子コンピュータといった将来の技術の多くに関わっているため、市場からも相当な期待が込められているのでしょう。特に自動運転における画像処理で注目されているのだと思われます。実現すれば、車1台につき複数個『Olive』が搭載される事を考えると、期待されている理由も分かる気がします。

3.2.成長性

プログラムの高速化の需要、車載画像処理ソフトウェアの開発、量子コンピュータの実用化と将来の技術に深く関わっており、それらの動向次第では当然大きな成長が考えられます。

特に車載画像処理ソフトウェアの開発は引き合いが多いようで、さらに自動運転は確実に普及すると現時点では考えられている事から、成長性は十分にあると思います。

また、量子コンピュータについても、いち早くニーズを発掘しノウハウをため込んでいるようなので、先行優位性という面もあり、普及すれば確実に成長するのではないかと思います。

3.3.まとめ

・AI、自動運転、IoT、量子コンピュータなど将来の技術に深く関わっている。
・それらの技術を可能にする優秀なエンジニアが集結している。
・人材に依存しているリスクはあるが、すごい優秀なエンジニアが社内にいるという事が優秀なエンジニアの獲得につながるという好循環になっている。

以上から考えると、将来性に期待して保有するのも十分ありなのかなと思います。ひふみ投信も組み入れているようなので、便乗してもいいかもしれません(笑)


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