総会おじさんです。
今回はリアルワールドの第13回定時株主総会に行ってきました。(2017/12/21)
せっかく参加したので総会で得た材料や投資判断についてまとめてみました。
是非ご参考にして下さい。
・この活動の目的などはこちら→株主総会で投資の幅を広げよう
目次
1.リアルワールドってどんな会社?
1.1.事業概要
リアルワールドは、ポイントサイトの『Gendama(げん玉)』や『REAL WORLD(リアルワールド)』(名前だけなら聞いた事ある人も多いかと思います)を運営している会社です。他にもクラウドソーシングサービス『CROWD』を運営しています。
主な事業は以下の通りです。
<クラウドソーシング事業>
クラウドソーシングサービス『CROWD』、パート派遣・在宅ワークサービス『ecorista』、商標・ドメインネームに特化したクラウド管理サービス『TMODS』を提供しています。14/9月期には売上高構成比率が9%程度でしたが、17/9月期には49%にまで拡大し、伸びている事業です。
<ポイントメディア事業>
ショッピング・アンケート・広告利用などでポイントが貯まるポイントサイト『Gendama(げん玉)』『REAL WORLD(リアルワールド)』を提供しています。
<フィンテック事業>
貯めたポイントを現金・電子マネー・商品などに交換できるサービス『PointExchange』を提供しています。
※画像は各ホームページより
1.2.業績推移
売上高は13/9月期から16/9月期は順調に伸びていたが、17/9月期は減収となっています。営業利益についてはまばらで、15/9月期は費用先行、17/9月期は減収による影響があるなど、安定性は無いようです。また、16/9月期に営業黒字にも関わらず純損失となったのは、会計処理についての特損が出たからだそうです。
18/9月期は、売上高4,350百万円(前期比0.3%増)営業利益40百万円(前期は営業損失103百万円)経常利益40百万円(前期は経常損失79百万円)親会社に帰属する当期純利益0百万円(前期は純損失171百万円)を計画しています。
※リアルワールドHPより
2.総会について
2.1.主な内容
報告事項の主な内容は以下の通りです。
・熊坂が取締役を辞退。取締役の職務を負わせると職務負担が大きくなるなどの理由。今後も執行役として業務を行ってもらう。そのため1号議案は取締役3名の選任に変更。
・17/9月期の業績は、売上高4,335,956千円(前期比5.8%減)営業損失103,024千円(前年は営業利益203,484千円)経常損失79,167千円(前年は経常利益216,997千円)親会社に帰属する当期純損失171,111千円(前年は純損失89,516千円)となった。
・クラウドソーシングが伸びた一方、クラウドメディアにおいて、アドネットワーク事業者による広告掲載条件変更に伴い広告掲載単価及び利益幅の減少の影響を受けた結果、このような業績となった。
・ノーザンライツ社がグループ化した。今まで以上に幅広い業務の受注が可能になった。
・今後はクラウドメディアの成長、クラウドソーシングの認知度向上、AI分野への展開等に取り組んでいく。
決議事項については全て可決でした。(1号議案は上記の通り変更されています。)
事業説明会の開催はありませんでしたので、詳細は2017年9月期(通期)決算説明資料をご覧下さい。
※録音等はしていないので聞き間違いや漏れなども多々ありますのでご了承下さい。
2.2.質疑応答
<株主総会での質問>
※やや早口でボソボソ喋っていたため、聞き取れなかった部分が多いのでご了承下さい。
質問:クラウドソーシングの市場規模は?シェアは何%取る?競合との違いは?
回答:ユーザーを1,000万人抱えている事が強み。例えば1人1文字入力すれば一瞬で1,000万字集まる労働力がある。BPO市場を取りに行く。2016年度は3兆8,000億円の市場。
質問:営業損失1億円だがセグメント利益は6億円あるが?
回答:フロア費等はセグメント利益に入れていない。また、ライティング分野を縮小する関係で償却した。
質問:アドネットワーク事業者からの影響は以前から分かっていた?
回答:変更されることは予知していたが、予想以上の変更だった。リカバリーに時間が掛かってしまった。
質問:神野氏と穐田氏の退任理由は?
回答:任期満了を迎えた。
質問:次期黒字化に向けて
回答:販管費の見直し。本当に成長の為に必要な費用になっているのか。事業があれもこれもになっていた。選択と集中として、伸びる所にしっかりと投資していく。利益を伴うクラウドソーシングを作っていく。
質問:1,000万のユーザーは各サイトの合計か?
回答:データベースを一本化している。ユニークユーザーが1,000万にということ。
※録音等はしていないので聞き間違いや漏れなども多々ありますのでご了承下さい。
2.3.注目材料
『経営者』
過去に会計処理に関して問題があったようですが、営業損失とセグメント利益の差異の質問に対する回答に詰まり明確な回答ができない点を見ると、依然として会計に関する知識が無いように感じました。有賀氏が取締役会長として留任されるので問題は起こらないと思いますが・・
『事業戦略』
決算説明資料によると、BPOとクラウドソーシングが合わさる事によりリアルワールドは全業務プロセスを受注可能になり、さらにクラウドソーシングできるものはクラウドソーシング化する事により生産性が上がると記載されています。BPO市場は2016年度に3兆8,000億円との事ですので、成長の可能性はあるように思います。
BPOとは?
Business Process Outsourcingの略で、自社の業務プロセスを外部の専門企業に委託することです。自社業務の一部または全部を外部に任せることで、委託側は自社のコア業務に専念することができるといったメリットがあります。
2.4.お土産
お土産はありませんでした。
3.投資判断は?
3.1.株価水準
株価:1,258円(12/22終値)
EPS:0円、BPS:276.02円、配当:0円
PER:0倍、PBR:4.56倍、配当利回り:0%
ROE:0%、ROA:0%
※EPS等は会社予想を参照
利益ゼロの見通しなので、判断しづらいですね。PER20倍になるにはEPS62.9円、つまり純利益が約1.7億円必要になります。売上高は約43億円ありますので、無理な数字では無いのかなと思います。現在の株価はまあ妥当な水準にあるのではないでしょうか。
3.2.成長性
働き方改革というテーマで考えれば、クラウドソーシングという場所・時間を問わないサービスはこれからも成長していくはずなので、事業面での成長性はあると思います。
3.3.まとめ
年々悪化する経営状況や総会での印象などを勘案すると、私としてはあまり魅力を感じませんでした。
ただ、事業面での成長の可能性は十分考えられますので、経過を見つつ保有を考えて行けばいいのではないでしょうか。
・他の総会情報はこちら→総会おじさんが行く