ユーグレナ(2931)株主総会に行ってきた。

総会おじさんです。

今回はユーグレナの第13回定時株主総会に行ってきました。(2017/12/22)

せっかく参加したので総会で得た材料や投資判断についてまとめてみました。

是非ご参考にして下さい。

この活動の目的などはこちら→株主総会で投資の幅を広げよう

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1.ユーグレナってどんな会社? 

1.1.事業概要

ユーグレナは、「人と地球を健康にする」という経営理念のもと、ミドリムシ(学名:ユーグレナ)という微細藻類を利用した食品や化粧品の販売、バイオ燃料の開発を行っている会社です。最近広告でも見かけるので知っている方も多いのではないでしょうか。

特にバイオジェット燃料の開発で注目されている会社です。

主な事業は以下の通りです。

<ヘルスケア事業>
ミドリムシを利用した健康食品(緑汁など)・化粧品(Oneシリーズなど)を販売しています。定期購入者を獲得する事でのストックビジネスのモデルになっており、ほとんどの売上・利益はこの事業から生まれています。

2017年9月期決算説明及び2018年9月期以降の成長投資戦略と経営方針についてより

<エネルギー・環境事業>
注目されているバイオジェット燃料・バイオディーゼル燃料の研究開発を行っています。実用化に向けた実証プラントを建設中だそうです。他にもユーグレナ飼料の研究も行っているようです。

2017年9月期決算説明及び2018年9月期以降の成長投資戦略と経営方針についてより

<新事業>
新たな取り組みとして、ジーンクエスト社を買収し遺伝子解析サービスの販売を始める予定です。また、遺伝子解析技術と組み合わせて人を健康にする新事業を今後始めるようです。

2017年9月期決算説明及び2018年9月期以降の成長投資戦略と経営方針についてより

1.2.業績推移

売上高・経常利益ともに順調に拡大しています。研究開発や広告宣伝費に多くの投資をしているようですが、それでも毎年利益をしっかり確保しています。

18/9月期は、売上高18,000百万円を計画しています。

2017年9月期決算説明及び2018年9月期以降の成長投資戦略と経営方針についてより

2.総会について

2.1.主な内容

報告事項の主な内容は以下の通りです。

・上場時は従業員38人、売上高15億円。17/9月期は356人、138億円となった。

大学発ベンチャー企業は1851社。その中で最初に東証一部に上場した。

17/9月期の業績は、売上高13,886,603千円(前期比25.1%増)営業利益950,937千円(前期比37.0%増)経常利益1,207,235(前期比27.8%増)親会社に帰属する当期純利益785,886千円(前期比16.7%増)となった。いずれも過去最高となった。

・国からの助成金等があるため、営業利益より経常利益の方が多くなっている。

・ヘルスケア事業において、直販が大きく伸びた。顧客の要望により健康食品のラインナップが増え、一番伸びているオールインワンクリームの販促に力を入れた結果。

実証プラントは18/10/31に、私の責任で必ず完成させる。2020年オリンピックパラリンピックの年に、世界初のバイオジェット燃料による有償フライトを実現させる。

・実証プラントの投資金額約58億円は、研究開発費として18/10/31の引き渡し日に一括計上される。

・三重のあぜ型プールは稼働した。小橋工業の技術により、従来に比べ建設コスト1/10建設工期1/4になった。2,000~3,000㎡まで拡充する予定。

中期経営目標として、20/9月期に売上高300億円、直販定期購入者50万人を計画。バイオジェット燃料とディーゼル燃料の実用化を実現する。

・大学発のどのベンチャー企業よりも収益力を持ちつつ、最先端の研究ができるベンチャー企業であり続けたい。

・実証プラントはフル稼働で5バレル/1日(ドラム缶4個分)。2019年の早い段階で安定稼働させる。その後は商業プラントとして数百倍規模の工場の建設に着手する。価格競争力のある形で、バイオジェット燃料とディーゼル燃料でビジネスができると確信している。場所はどうするかなどの意見があるだろうが、安心して欲しい。私のイメージではできあがっている。

・人と地球を健康にする一環で、買収したジーンクエストの遺伝子解析技術と組み合わせて人を健康にする新事業を始める。詳細は来年発表する。

・ユーグレナの飼料としての利用の実現に取り組む。

・配当については無配。

詳細は第13期定期株主総会招集ご通知2017年9月期決算説明及び2018年9月期以降の成長投資戦略と経営方針についてをご覧下さい。

決議事項については全て可決でした。

事業説明会は総会の報告事項の報告の際に行われました。

※録音等はしていないので聞き間違いや漏れなども多々ありますのでご了承下さい。

2.2.質疑応答

<株主総会での質問>

質問:配当について。赤十字社への寄付は?
回答:広告宣伝費50億円、新工場に58億円の投資をさせて頂きたい。エネルギー事業から安定収益が得られるようになった段階で適宜検討したい。会社としての責任は法人税で果たしつ社会貢献するので、特定の団体への寄付は考えていない。

質問:株価対策や優待について。
回答:株価は不本意な状況。反省しなければいけないし悩んでいる。優待については、9万人の株主に1,000円の物を送ると1億円のコストがかかる。その1億円は宣伝や研究開発の投資に使わせて頂きたい。株価上昇と株主還元の充実ができる会社に一日でも早くなれるように努力している。株主軽視ではない。株価についてはコメントする立場にないが、充実したIRといった施策については準備が出来次第やっていく。株価のトレンドは業績と乖離していると個人的に思っている。

質問:出雲社長の株売却について
回答:売却したのは事実。マザーズ公開の時は売却してない。より多くの人に株主になってもらいたいので、様々な施策を取り組んでいる。コミットメントが減る事はない。

質問:ミドリムシの可能性について
回答:バイオマスは5つ使い道がある。食料、飼料、繊維、肥料、燃料。全てにおいて活用したい。プラスチックやフィルムの基礎研究をしている。まずは難しい燃料に集中している。それができれば他の分野は比較的容易にできる。

質問:外人へのIRについて
回答:外人比率は2.1%。今後高めなければいけないと思っている。海外向けのIRは年に数回実施している。香港やロンドンやアメリカなど回っている。国内は定期的にやっている。個人向けも自社開催で始めた。

質問:2.1%は低すぎでは?
回答:総合的にみて考えなければいけないと思っている。マザーズは外人比率が低く、東証一部は高い傾向にある。2015年から説明を始めたばかりという事を考えると、IRが奏功しているという見方もできる。

質問:商業プラントの投資費用は?
回答:具体的に数字が決まっている訳では無い。実証プラントの経験をしつつ検討していく。

質問:株主還元について
回答:ゼロではない。優待チケットを送っている。株主の宣伝効果は承知している。が、優待の費用は損益に直接影響する。業績に影響が少ない形で考えている。株価で還元したいと思っている。

質問:ディーゼルはいらなくなるのでは?
回答:乗用車はEV、トラックも一部はそうなると思う。バスやトラックの長距離の分野は簡単にEVにならない。また、EVトラックは高価。今の車の内燃機関がそのまま使えるドロップインのタイプを開発している。

質問:ゲノム編集への取り組みは?拠点は?
回答:ゲノム編集の新技術はやっていない。以前からある遺伝子組み換え技術は取り組んでおり、バイオ燃料について利用している。口にするミドリムシにはそういった技術は使っていない。サンディエゴで共同研究している。

質問:病原菌や気象の影響は?
回答:2005年からやっており数回影響を受けた。現在は安定的に生産できている。安定的に生産する事が一番重要だと理解している。あらゆるリスクに対応できるように努めている。

質問:株価が安いと資金調達に困るなどのリスクがあるが?
回答:世界で初めての事をやっている。期待を背負って実現していきたい。株価上昇に努めていきたい。

質問:女性視点でマーケティングしてみては?
回答:単体で見ると女性比率は5割、管理職は2割いる。女性視点が反映されるよう取り組んでいる。しっかり、ワクワクしてもらえるような商品作りをしていきたい。

質問:バイオ燃料の増産計画は?
回答:1日5バレルでは足りない。実証プラントが成功すれば、大工場をいくつも作る事が可能になる。アジアだけで見ても今後10年で飛行機の利用者が2倍になり、必要な燃料も2倍になる。ASEANの燃料はミドリムシ方式であるという未来を作っていきたい。それにより地球環境の対策にも努められる。そのポテンシャルはあると確信している。

※録音等はしていないので聞き間違いや漏れなども多々ありますのでご了承下さい。

2.3.注目材料

『ミドリムシの安定生産』
現時点では大きな問題が無いため安定的に生産できているようです。ただ、具体的にどうのような対策を講じているかの説明が無かったので、対策したというよりは本当に大きな問題に直面していないのかなという印象を受けました。
安定生産は顧客にとって最も重要な要素ですので、具体的な対策が無いのはリスクだと思います。

『バイオ燃料の実用化』
2020年のオリンピックの年までに実現するとの事でした。ただ、実証プラントが18/10/31完成予定で安定稼働が19年前半予定との事です。全くの新製品なので、客先における機能性や安定供給といった評価に当然時間が掛かります。また、評価するにはその工場で生産された製品が必要です。約1年半の期間でそこまで評価できるのでしょうか?評価が終わらない限り有償フライトなどする訳が無いので計画は遅れるような気がします。

『株価対策』
株価、優待、配当などの質問が多かったです。優待や配当に回すお金がもったいないとの事でした。この点は私としては高評価です。しっかり経営資源を有効活用して欲しいですね。

『今後の見通しについて』
具体的な根拠を提示せず、「安心して下さい」や「必ずやります」という表現が非常に多かったです。例えば、「株主に工場が進んでいるのかを直接説明したい」と言っている割に、1ヶ月くらい前の写真を見せながら「安心して下さい。必ず完成させます。」と説明してました。6月施工なので、施工時、7月、・・・、11月、12月の写真を繋げて進捗を見せてもらえれば多くの株主は納得すると思いますが・・。今後の見通しは全体的に不透明な部分が多い印象を受けました。

『経営陣』
技術系・製造業系の取締役は候補者にいませんでした。ジェット燃料を実用化するという事は当然製造業になるという事ですから、その点は不安です。やはりバイオ燃料の商用化は遅れそうな気がします。

『ミドリムシの可能性』
ミドリムシはバイオマスなので、食料・飼料・繊維・肥料・燃料の使い道があり、一番難しい燃料に注力しているが、実現すればそれ以外の用途への参入は比較的容易との事でした。さらに期待したくなりますね。

2.4.お土産

お土産はミドリムシと植物発酵エキス入りのスムージーでした。普通の野菜ジュースと同じ味なのでとても美味しかったです。子供も「おいしい!」って言って、半分以上飲まれてしまいました(笑)

3.投資判断は?

3.1.株価水準

株価:1,052円(12/22終値)
EPS:11.50円、BPS:185.47円、配当:0円
PER:91.48倍、PBR:5.67倍、配当利回り:0%
ROE:6.20%、ROA:5.14%
※EPSは会社予想が出ていないので四季報を参照

直近では株価は下落基調ではあるものの、相変わらずPERがとても高い水準にあります。それだけ期待されているのでしょう。

ちなみにPER20倍水準で考えるとEPS52.6円となり、純利益で約45億円が必要になります。増資すれば当然さらに利益を出す必要があります。

3.2.成長性

言うまでもなく、バイオ燃料が実現すれば大きな成長が見込まれます。

また、ミドリムシはバイオマスであるので、食料・飼料・繊維・肥料・燃料の全てに使い道があるようなので、さらなる事業拡大の可能性もあると思います。

3.3.まとめ

・成長性は言うまでもなくある。
・実用化に向けては、実証のための費用や増産のため工場建設費用など今後莫大な費用がかかりますので、増資の可能性は十分に考えれます。
・スケジュールや経営陣の体制に不安があり、実用化の遅れの可能性があります。

以上から考えると、実現すれば大きな成長が見込まれるので、超長期で投資を考えている方であれば保有しても面白いと思います。
ですが、実現はまだまだ先になりそうなので、目先の株価で一喜一憂するような方は避けた方がいいのかなと思います。

・他の総会情報はこちら→総会おじさんが行く

コメント

  1. 小林 秀夫 より:

    投資対象の候補で迷ていた(2018.6.14)が、このコラムを読んで納得した。
    製造業に属する以上、それなりの研究期間と資金・技術の立証と 実用化への大規模な 投資。現在売り上げは、それなりに増加しているようだが、利益が伴っていない。株価もそれなりに長期低迷・下落続きで、迷ていた。 確かに短期追及者には 向かない。果たして、長期投資家にはどうか???  技術の確立と事業化には10年以上のスパンを考えた視点が必要で、そのための基盤となる既存の事業が上昇継続が可能なのか??

  2. 小林 秀夫 より:

    当期の利益計画の発表がないのは、投資先として 不安要素。 いくら売り上げがあっても利益がなければ倒産しかない。


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