総会おじさんです。
今回はアールエイジの第31回定時株主総会に行ってきました。(2018/1/24)
せっかく参加したので総会で得た材料や投資判断についてまとめてみました。
是非ご参考にして下さい。
この活動の目的などはこちら→株主総会で投資の幅を広げよう
目次
1.アールエイジってどんな会社?
1.1.事業概要
アールエイジは、「当社を通じてお客様が幸せになること」「当社を通じて社員が幸せになること」「1人でも多くのお客様に求められる会社になること」を経営理念に掲げ、東京・千葉を中心に不動産賃貸管理事業などを行っている会社です。
主な事業は以下の通りです。
<不動産管理運営事業>
収益用不動産の賃貸管理業務とサブリース、自社保有の賃貸を行っています。
取り扱い物件にはリノベーション・デザイナーズマンションなどが多く、この点が他社との大きく異なる点かと思います。
売上高の約70%を占めており、収益の柱となっている事業です。
<不動産開発販売事業>
自社で企画開発した賃貸物件の販売を行っています。
販売後も管理業務を受託する事で、メインの管理運営事業に繋がっています。
<不動産仲介コンサル事業>
事業用不動産の購入や売却など、コンサルティング型の仲介事業を行っています。
ユーザーとの接点という意味で重要な事業となっています。
※アールエイジHPより
1.2.業績推移
17/10月期の業績は、売上高3,940,127千円(前期比4.8%減)、営業利益520,537千円(前期比10.1%増)、経常利益474,595千円(前期比11.9%増)、親会社に帰属する当期純利益311,801千円(前期比17.0%増)となっています。
セグメント別売上高は、不動産管理運営事業2,880,076千円、不動産開発販売事業957,079千円、不動産仲介コンサル事業102,971千円となっています。
ここ数年の業績推移を見ると、利益については少しずつ拡大しているものの、売上高に関しては横ばいとなっています。
セグメント別の売上高に注目してみると、主力の不動産管理運営事業については徐々に減少しています。
※アールエイジHPより
2.総会について
2.1.主な内容
報告事項の主な内容は以下の通りです。
・17/10月期の業績は、売上高3,940,127千円(前期比4.8%減)、営業利益520,537千円(前期比10.1%増)、経常利益474,595千円(前期比11.9%増)、親会社に帰属する当期純利益311,801千円(前期比17.0%増)となった。
・賃借対照表について、資産合計9,406,681千円、負債合計6,658,594千円、純資産合計2,748,087千円となった。
その他、特筆すべき事項はありませんでした。
決議事項については全て可決でした。
事業説明会の開催は無く、総会中にも特に事業内容の説明はありませんでした。
※録音等はしていないので聞き間違いや漏れなども多々ありますのでご了承下さい。
2.2.質疑応答
<株主総会での質問>
質問:負債が増えている理由は?今後は?
回答:全て物件の購入資金。今後も負債が増える傾向は続く。(物件を購入するから)
質問:業績が横ばいの理由は?今後の計画は?
回答:売上高は横ばい、利益は微増となっている。現在、物件を増やしている時期。物件の賃料収入が増えているので利益率が上がっている。今後もこの傾向は続く。
質問:民泊の参入は?
回答:特に計画は持っていない。
質問:空き家について
回答:管理物件、サブリース、自社保有物件のほとんどが東京・千葉。駅から徒歩20分などの物件の稼働率は下がっている。都心の徒歩5分以内といった物件は高い稼働率となっている。
質問:小型物件のメリット、デメリットは?
回答:流動性が高い事がメリット。建築コストが高い点がデメリット。50室という大型物件の取り扱いもたまにはやっているが、手間が掛かる。今後も小型をメインでやると思う。
質問:セグメントについての内容は?
回答:管理運営事業は、オーナーからの管理受託や一括借り上げのサブリースが柱。自社物件や棚卸物件の賃料が上乗せされている。仲介事業は利益としては大きくないが、ユーザーとの接点という面で重要。ユーザーの声が反映されるように運営している。販売事業は、企画開発し、一部は売却、一部は保有という形を取っている。
質問:サブリースの戸数や滞納は?
回答:サブリース、集金管理、自社保有の3種類ある。合計で5,000。サブリースが1,800弱。単身者用が8割。オーナーは基本的には個人。滞納は1%台。
質問:中長期の計画は?
回答:1年計画のみの開示しかしていない。3年、5年の計画は作っていない。物件をどんどん買って売ってというビジネスモデルでない。業績が上がるとしても緩やか。ただ不況の時にはガクッと下がらない。
質問:物件を増やしているにも関わらず管理運営事業の売り上げが伸びないのは、サブリース等が落ちている?
回答:しつこい質問ありがとうございます。中古物件は買っていない。土地を仕入れてから完成して収入を得るのに時間が掛かる。サブリースは横ばいで下がっていない。物件を売却すれば上がるだろうが、そういう訳にもいかないので、効率よく判断してやっていく。
質問:デザイナーズ物件の中心の人物は?
回答:笠原取締役。パッケージ等は担当でやっているが、単身者向けについては若者向けという事で、開発部署の中の若い社員たちとやっている。
質問:不動産価格高騰局面での不動産の売却について
回答:仮にそういう事があったとしても、管理運営を主体にしているので、一気に売却という判断にはならない。バランスを見ながらの判断。
質問:PER8倍と株価の評価が低い。IR活動は?
回答:努力していきたい。
質問:今期計画からの上振れの可能性は?
回答:努力していきたい。
質問:新卒採用や離職率。有給消化率は?
回答:定期的に行っている。データが無いので離職率は分からない。昨年のメンバーは全員残っている。有給消化率もデータが無いので分からない。過去に比べると上がってきている。
質問:具体的に何%?
回答:結構いってる。大体とってる。数字は言えない。数字がお好きですね~。
※録音等はしていないので聞き間違いや漏れなども多々ありますのでご了承下さい。
2.3.注目材料
『経営者の印象』
総会でのやり取りについて不快に感じた場面もあり、お世辞にも好印象とは言えませんでした。オーナー社長なので株主軽視になるのはある意味仕方ない事なのかなとは思いますが、わざわざ言動や態度で示す必要は無いと思います。
「しつこい質問ありがとうございます」には流石に衝撃を受けましたね・・笑
他にもこんなやり取りがありました。
社長:「3つ目あるんですか?いきますか?」
株主の方:「ダメなのか?」
社長:「他に質問のある方?」
社長:「無いので、どうぞ。」
流石に株主の方は、質問する前にこのやり取りに対して疑問や不快の意を示していました。
が、それを遮るようにさらに一言。
社長「質問をお願いします!」(語気強めで)
舐め腐ったような口調で質問に回答後、追い打ちをかけるように、
社長「数字がお好きですね~」
「あの株主の方、よくキレなかったな・・」と改めて思います。おそらくもう株主ではなくなったと思いますが・・笑
傍から見てても本当に不快でした。
『中長期計画について』
3年、5年というのは作っていないとの事でした。
『業績について』
今後も同じような傾向が続くとの事でした。
2.4.お土産
お土産は梅いちばんの黄金漬(こがねづけ)でした。子供が梅干し大好きなので、大喜びでした(笑)
3.投資判断は?
3.1.株価水準
株価:816円(1/24終値)
EPS:99.52円、BPS:886.98円、配当:25円
PER:8.20倍、PBR:0.92倍、配当利回り:3.06%
ROE:11.22%、ROA:3.31%
※EPS等は会社予想を参照
ここ数年間ほとんど成長していないため、PERは妥当な水準にいるように思います。
PBRに関しては、不動産の時価が分からないの判断は難しいですが、REITの含み益が年々増加している背景から考えますと、もしかしたら割安なのかも知れません。
3.2.成長性
REITの業績を見た事がある人なら分かると思いますが、(負債が増える)=(物件が増える)という事なので、結果として(賃料収入が増える)=(売上高が増える)、つまり(負債が増える)=(売上高が増える)という事になります。問題無く運営していればの話ですが・・
アールエイジの資産の推移を見ると、純資産の増加量に対して総資産の増加量が大きくなっている事から、負債と資産(物件 or 土地)が増加している事が分かります。
土地購入から企画開発し収益化になるまでのタイムラグがどの程度か分かりませんが、物件(or 土地)は増えているようですので、問題無く運営できればその分の成長は見込めるのかなと思います。
ただし、12/10月期から見ても売上高は横ばいとなっていますので、上記ロジックが当てはまらない可能性がある点は注意が必要かと思います。
※アールエイジHPより
3.3.まとめ
2007年の上場以来、業績は横ばいを続けており、リーマンショックの落ち込みでも赤字になる事無くしっかり利益を確保しています。成長性はあまり無さそうですが、そういった安定性はあるのかなと思います。
株価についてもPBR0.92倍となっており、REITの含み益が年々増加している背景から考えると割安の可能性もあるのかなと思います。
以上、色々書きましたが、私個人としては残念ながら投資対象にはなりませんでした。
・他の総会情報はこちら→総会おじさんが行く